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2005.10.07

要約対談2005/08 1/5

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 要約を極めたいと、思っている。何か得るものがあると確信しているが、決め手がない。偶然、「要約がライフワーク」って人に出会えた。よし、分からないことは聞いてしまえ、忙しいところを無理にアポイントをとって、一杯やりながらの「要約談義」をすることに成功した。
お話を伺ったのは都内高等学校で現代国語を教えておられる木本 寿さんです。要約歴20年の頼もしい方です。8月末の渋谷で待ち合わせてお話を聞かせていただきました。
文中のE=海老名、K=木本を表します。

・要約対談は渋谷の夜に始まる

E:まず、ビールをいただきましょうか。瓶にしましょうか? すみません、ビールをください。
おっ、サッポロ赤星(ドラフト)ですね。いいお店をご存知ですね。

E・K:カンパーイ、よろしくお願いします。

E:私は仕事で企画書などを書く機会があり、ついダラダラ書いてしまうことが多いのです。『40字要約で仕事はどんどんうまくいく』(アーク出版、2004年)という本を読んで要約に興味を持っています。
ちょうど、木本さんと出会って「要約がライフワーク」ですと、おっしゃっていたので、これは本当に良い人に出会えたと喜んでいました。そこで今日お話を聞く機会を作っていただいたわけでして。
先生をなさっておられるのですね。

K:国語には古文、漢文、現代文があるんですが、深くすれば、いくらでも深くなるんですが。古文、漢文、特に漢文は教えやすいんです。訳しながら、文法を説明していけば、わりに楽に教えられる。
で、ほかの先生は現代文をやりたがらないんですね。それで若い時から現代文を担当することが多くなった。

E:あ、二杯目からは手酌でいきましょう。お若い時からというと、20年ぐらい前のことですね。

K:そうです。現代文の解釈というところでは必ず要約の問題があるんですね。何十字で、というものがほとんどでした。大学生になると長い一冊の本の要約の宿題とか、新聞の社説を要約しろとか、文章の読解力をみるんです、20年前は。
今はコミュニケーション、つまり伝えること、しかも、短い言葉で伝えたいということで、課題が出てくる。先ほど話があった企画書も「伝える」ことが大事ですよね。
高校でも教科書を見ると「国語表現」という科目ができましたので、要約して短く相手に伝える。その練習として長い文章を100字にして、50字にして、10字にして、あと題名をつける。そういうようなことも出てきました。それって面白いですよ、パズルみたいで。

E:100字、50字、10字、タイトルですか。

K:タイトルは5字ぐらいでやってみるんです。あと大学でもわりに要約させるんです。300字で要約して、300字で意見を述べなさいとか、要約と意見がだいたい同等なものに扱われています。そういうこともあって、ライフワークというのは大げさなのですが、これは教師としてやっていくのは面白いなと思ったのです。

・コミュニケーション・ツールとしての要約

E:コミュニケーションと言われ始めたのはいつごろからですか。

K:ここ5年ぐらい最近です。短くまとめて、相手に示す。そのことが言われてきて、読解のための要約は言われなくなってきました。時代が変わってきたんだなと思います。長く書いても読んでもらえない。だから要約をつけて出せば、要約だけでも読んでくれるかもしれない。

E:なるほど。

K:小論文というのがありますね。一世を風靡しまして大学入試でも要約でそれを作るんです。筆者はこう述べているが、私はこう考えている。筆者はこう述べているという部分が要約になるわけです。
まず要約の練習からはじめるということで、ある教材会社で教材を作って、それが面白いということになって、そッからやっているんですけど。

E:そうなんですか。それで、その本はどこで買えるんですか。

K:教材なんで市販はしていないんです。一般の本とはルートが違うみたいで、新しく一般の書店でも売れるようにしようとかいう話はあるようです。
やっと、注目されてきたなあと、要約も、という感じですね。

E:これが先ほどいった2004年8月の40字の本なんですが、これを読み始めたのが要約に興味をもったきっかけなんです。

K:先ほど100字、50字に要約する話をしましたが、60字で要約する本が新書であったようなのですが、日本語で要約して相手にパッとわかってもらうのは40字から60字、それぐらいですかね。
40字もいいかもしれません。40字だと一文ではないですけど、つなげれば一文になりますよね。60字は二文になりますが。
やっぱり短歌の31文字、それプラスちょっと詳しくすれば40字とか、それぐらいが日本人には合っている。
確かに何字で要約しろというのに根拠はあんまりないんです。
100字にしろとか、50字にしろとか、練習ですから。やっぱり50字にまとめられると、だいたいの内容は理解できているなという感じになります。どんな分厚い本でもいいたいことは一行にまとめられるということですかね。

E:私の40字要約は『フジサンケイ ビジネスアイ』の気にいった部分に付箋をつけて、マーキングして、 RHODIAのメモ帳に書き込んで、あとでパソコン上で字数を見ながら入力するというものです。私の教材は新聞なんですが、新聞の場合はタイトルがすでについているので要約となるわけなんですね。

K:そうですね。

E:タイトルがあるので本当に40字要約になっているのか、不安なところはあるんですが、毎日内容が変わるので仕事の役にも立ちそうで続けているんです。それと短く書くと忘れなくなるのでボケ防止にも良いかなと続けています。

2/5 ・短歌と要約の親密な関係 ・正解を求めて迷走する ・蓄積して精度を上げるに続く

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コメント

FUJIKIさん
早速恐れ入るます。
>今度わたしのブログで紹介させてください。
よろしくお願いします。

さっそく読みに来ました。
藤木です。
なかなか面白いですねぇ。
今度わたしのブログで紹介させてください。

文章を成形すれば良いみたいです。外出からもどったら、変更を検討します。

早速コメント、ありがとうございます。
列幅は可変に設定してあり、読む人の画面の大きさに合わせて動きます。
ちょっと考えて見ます。

いよいよ始まりましたね!
紙媒体だと、左側にざっと、発見者のイニシャルが並びます。つまり2行目にも発言が続くときには、前の行にある発言者イニシャルよりもこの場合は、一字引っ込めて打ちます。
気になったのは、それ程度です。続き、楽しみにしています。

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» 「要約」という技法(2) [企画書は早朝書こう日記]
前回に続き、海老名さんの「要約対談」から面白いと思ったところを「要約」します。 ... [続きを読む]

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