インクジェットの時代がきた!(2012)
【読書感想】インクジェットの時代がきた!(2012):産業界の大量生産のキーワードは「型」、プレスや樹脂成形なら金型、布のプリントは型紙が必要です、印刷も版が必要だったり。解決策の一つである単品生産をデジタル経由で実現するツールが「インクジェットプリンタ」なのです。ー海老名の感想ー
インクジェットプリンタの特徴の一つは「非接触」印刷媒体の幅が広がるのです、限りないように見えます。バイオまでつながっているようです。
第1章はインクジェットプリンタの原理をわかりやすく解説しています、著者はエプソン勤務だたのですね。
意外に歴史が古くて
・コンティニュアス方式(連続)1960年
・オンデマンド方式 1970年
ここが特徴かな?:「引き打ち」一旦インクを減圧して引き込んでから打ち出すとノズル径よりも小さい点で印刷可能ー大きさの異なる液滴を吐出ーだったりします、これをピエゾ素子を使った「メニスカル引き打ち」といいます、このあたりで、おとなしく印刷していたあいつがこんな小技を繰り出していたと思うと、結構ゾクゾクして来るのです。
2章以降は応用例の紹介です。
非接触・型が不要であることから応用(研究)範囲が広いです。
1)お菓子 専用プリンタがあります 少量生産を可能なのは大量に作るプリタのお陰で部品が安価・短納期で入手できることでもあります。
2)アパレル捺染 パタン作成期間が1.5-2ヶ月かかっていたのが デジタル捺染では1日ー2週間に短縮できるそうです。日本からは捺染の大量生産はほどんと無くなっていますが、イタリアでは普及し始めており、日本でもチャンスがあるかもです。
3)サイディング(建築)
4)液晶ディスプレー他電子機器 たとえばアンテナ、センサーの生産
5)鋳物のフルモールド(従来はスチロール発泡体を利用)
6)3Dモデル これはお馴染み、2013年にpafumeの3Dデータが公開されたり製造物からデジタルデータそのものがコンテンツとして流通し始めました。また3Dプリンタも10万円を切るものも募集生産(?)が始まりました。来年ももっと身近に拡大しそうです。
7)医療(臓器個別生産)各臓器の構成部品については最小単位(例えば細胞とか)での生産は解明されたものもある、実際に立体的に配置して固定する技術については更に研究が進行しそうです。
2013年の進捗が注目されるところです。
【書籍情報】
署名:インクジェット時代がきた!液晶テレビも骨も作れる驚異の時代
著者:山口修一、山路達也
出版社:光文社
出版:2012年5月20日初版1刷
価格:740円
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