2005.11.27

要約対談2 05/11/19 渋谷【音声付】

対談2は音声報告です。もうすぐ出張で外出します。手抜きではありません。しゃべっているのはebisuのみです。

2005.10.10

要約対談2005/08 5/5

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・要約は孤独だ

K:さっき孤独だとおしゃったじゃないですか、英語の勉強だとTOFELがあったりTOEICがあったりするから合格するようにやれば、孤独ではないですね。
要約は何点もらえるわけではないし、先生にほめられるわけでもないし、本当に基準のない世界だと思うんですよ。必要性はみんなもっていると思うんです。いろんな人がいろんなことを紹介する時期だと思うんです。
実は私も孤独なわけでして、正解がないところで大学受験でこういう問題が出て生徒はどうしたらいいか分からない、予備校の先生に聞いた答えと学校の先生に聞いた答えが違うなかで、こういうもんだってことを、これとこれは同じものなんだってことを説得しながらやっていくことなんです。
さきほどライフワークとか、大きなことを言ったんですが、要約はこれからのスキルだと思っているからです。もうみんな完成したものではライフワークにはなりませんよね。結局誰かが、いろんな人が要約を追求して、何年もかけてできていくものじゃないですかね。そうすれば、世の中、全部がA4、1枚で書いて面白そうだから読ませてくれって言って、だんだん企画が決まったり、世の中動いていったり、政治家の話が面白そうだから聞いてみようとなったりして。
すごく大きなテーマだと思うんですよ。大きすぎて誰も手がつけられない。文章法なんてみんな書いていますよね。だれも要約できない。

E:海外では要約は例があるんでしょうか。

K:学術論文を書くときに要約をのせる、まあ日本でも一緒ですが、それを徹底的にやらせようということでは、海外のレベルは日本より上だと思います。特に日本語の場合は結論は最後に持ってくる場合が多いだけに一番抵抗があると思うんです。日本人自身を変えるには「大切なことは一番最初に言いましょう」そのあと興味を持ってもらって、じっくりやりましょう、ということになると、意識革命になると思うので、日本でやっていくのは大事なことだと思いますよ。
まず全体をつかむことが、日本人はすごく苦手なんです。だから細かいところを組み合わせるってことになっちゃうんですね。我々の職業のことから言えば、予備校の先生は読解に入る時には部分から入るんですよ。キーワードとかね、これは大切なんですけど、キーワードとかから全体を見ようとするんです。
細かいことは分からなくても、全体が分かっていれば、そのほうが文書を理解したことになると思うんですね。細かい言葉をいっぱいたしていけば、それで全体が見えるわけではないですよね。全体があって、言葉があるということは説明しにくいことなんですが。

E:なんとかしようと思ったら誰かが要約学会かなんか作らなきゃいけなんじゃないですか。

K:そういうことだと思いますよ。

・「図解」よりもよりも、やっぱり要約

E:方法論として図解がありますが、いかがですか。
私はグチャグチャして分かりにくくて好きになれないんですけど、県立宮城大学久恒教授が提唱する「図解」という意味です。

K:久恒さんの「図解」はこんなふうに分かりやすいですよ、と書いてらっしゃるんです。ホームページを見ると、私(久恒)のすべてがわかりますと書いてあるんですが、複雑すぎて分かりにくいんですよ。
http://www.hisatune.net/
単純な図解からだんだん足していきますからね、そうすると、その手順を知っている人しか分からなくなって来ていると思うんですよ。それは定型がないからです。いくらでも拡がるんです。要約には定型があるので、拡がりようがないんです、蓄積するだけですからね。そこら辺のところを考えると全然違うと思うんですよ。やっぱり「図解」はさっきの例でいくと予備校の先生の指導と一緒で、言葉と言葉をイコールで結んだり、矢印で結んだりしていって、部分と部分の関係は分かるんだけど、部分と部分の関係で全体は表せないと思うんです。全体を見るには便利なものじゃないかもしれないですね。
たとえば図解が4種類から5種類のパターンしかなくてそれですべて言い表せるようになっていれば画期的なことだと思うんですが、それはありえないことですから、複雑になって分かりにくくならざるを得ないと思うんです。
先ほど要約学会という話がありましたが、ほんとうにそういう形でいろんな人が追究していかないといけない、でないと「わかりにくい日本」で終わってしまうと思うんです。これから文章の時代になっていくわけですから、長い文章だとうんざりですが、短い文章だとわかりやすいですから。「図解」で解釈するよりストレートですし、みんな読めるし。

E:非常にわかりやすく話していただいてありがとうございました。また。お忙しいところありがとうございます。

・「要約を極める」の要約
最初は対談の後に「要約とは」を、短文でまとめるつもりだった。話を伺っていくうちに単に文書をまとめるいう領域を超えて、生活、人間としての生き方にも言及する深い内容を含むものであることが判明した。要約するのはやめて、雰囲気が伝わるようにまとめてみた。
要約を超えたすばらしい考察を提供いただいた木本さん、本文をまとめるにあたり、企画、取材、編集とご指導いただいた小室先生にお礼を申し上げます。

要約対談2005/08 4/5

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・要約教材として社説は最適か

E:すみません、ビールをもう一本、お願いします。
今私が要約の教材に使っているのは経済新聞なので、ロジカルに書いてあるから40字要約しやすいと思っています。教材選びについてはいかがですか。

K:小論文の指導をする時に新聞の社説を薦めていないんです。主張しているようで、万人向けに書いてあるので、こういうこともあるし、そういうこともあると、確かにそうなんですが、それで終わってはいけないんです。自己主張が必要なんです。

E:次の目標はもう少し長いものに挑戦してみたいと思っているんですが、気をつけることはありますか。

K:さっきの短歌の世界で言いますと、短歌は31字といいながら連作というのがありまして、たとえば短歌を旅行記みたいにまとめていくものがあるんです。そういう意味では連作の要約みたいなものも良いのではないでしょうか。章毎に40字でまとめて、10個あると400字になりますが、それを追っていけば本全体を読んだことになりますから、一章一章もわかるし、関係や全体の構造もわかりますよね。こういう方が面白いかもしれません。

E:あるとき本屋で『鉄則!企画書は「1枚」にまとめよ』(2003年10月)、という本があったんですよ。引き込まれるように購入して読んでみたんです。実例もついていて分かりやすいのが気に入りましてね。ただ、うまくまとめていかないとA4、1枚に入らない。そのとき必要なスキルはなんだろうと思った時、要約だと思ったんですよ。そのあと40字要約の本を見たんです。私の最後のアウトプットはA4、1枚の企画書なんですかね。
切り捨てる潔さ

K:やっぱり切り捨てるってことは大切ですよ。大きいことをいうと、人生にはやりたいことはたくさんあるし、言いたいことも一杯あるし、付き合いたい人も一杯いるかもしれないけど、時間も空間も限られている。その中で一番大切なことは何か読み取ることは、一番大切じゃないですか。そうすると要約みたいなもんなんですね。人生も、要約できないダラダラいくと、やりたいことが何もできない。何か捨てることの潔さを身につけるには、一枚企画書も40字要約も無意味ではなく、人生に役立つと思うんですよ。
ただ、捨てたものに対する愛情も大切だと思うんですよ。冷たい人間になってしまうんで。
やっぱり蓄積していくのは、すごく大切だと思うんでしょね。それが本当に力になるし、一つ一つを忘れていくような毎日ではなくなると思います。

E:生徒さんに指導されるときに、先にあげられた正解以外に要約する時に落とし穴のようなものがあるんでしょうか。私は正解が何かと思って、イライラすることが一番多いのですが。

K:一番はそれなんですけどね。書いても書いても正解がはっきりしないから、それが不安だっていうことなんでしょうけど、でも書いているうちに、たとえば50字にさせますね。それでは不安なんですけど、それをさらに10字にすると、ほとんどみんな一緒になる。10字にした時に間違っていなければ、それは正解だと言ったりしているんですね。まず、それが一つですね。
それから5字で見出しをつけるようなこともするんですけど。
もう一つはですね。細かい方法論になるんですが、長い言葉を短い言葉で言い換えるというのがありますね。たとえば外来語は長いから、日本語の漢字熟語を考えるわけです。法則はないわけなので、本人のボキャブラリーというか、それにかかってくるので、そういう意味での国語力というんですかね。大きく言えばそういうものに対してうまく言い換えできないと自信の無さに繋がる問題があるんです。

E:言い換えですね、私も多用しています。社名などがタイトルにも入る時、一文字とってH社とか略したりします。カタカナは半角で書いて字幅を稼いだりもするんですよ。40字の字数というかスペースに入れるようにがんばってしまうんです。パソコンだからできる技なんですけど。物理的には、このスペースに入れるぞ、とがんばってしまうんです。

・読ませる要約

K:確かに字数も大切なんですが、さっきのお話のA4に入れる企画書というのは、これは空間というかスペースに入れるというもんですよね。

E:A4で見ると知りたいことが書いてある。詳しいことは別の企画書を見てね。そんなことになるんですね。

K:たとえば学術論文にはレジュメとか要約をつけているわけですね。それはそれで、終わるわけでは無くて本編というか学術論文に要約がついているので、全部を読みたくなるような要約じゃないと意味がないですね。ですから要約も機械的ではあるけれども、さっき創作っていいましたが、攻めといいますか、攻める意味といいますか、読ませるための要約法というのは、もう一つ一段上にあるんでしょうね。こういうふうに要約を書いたら、あなたの伝えたい全体を読んでもらえますよ、というような要約になると面白いですね。

E:けっこう要約は面白いですね。ビールをまた頼みましょう。
ただwebで探しても要約に触れているものは少ないです。先ほどの新聞の要約をまとめて自分のwebにアップしていますが、ほとんど反応もありませんし。孤独なんですね、違和感を持ちながら続けているわけなんですけど。

K:確かに反応しづらいところはあると思うんです。興味はあっても、今さっきも言いましたけど要約に関する本も少ないし、それに対する方法論を書いた本もないんですよ。今はいろんな人がいろんな要約を自分のやり方で紹介している。そういう出発の時だと思うんです。一番最初に言ったと思うんですが、最初は読解するために、文章を効果的に読むために、こういうふうに読めましたというために要約することが多かったと思うんですが、4-5年前からこういうふうに、変わってきたと思うんです。ようやく要約の時代が来たと思うんです。ただ歴史が浅いから本当の要約はこういうものですよ、という人は一人もいないと思うんです。本もないですよね。いろんな人がいろいろやっていくしかないですよね。

5/5 ・要約は孤独だ ・「図解」よりも、やっぱり要約 ・「要約を極める」の「要約」に続く

2005.10.09

要約対談2005/08 3/5

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・構造・主張・根拠

E:私も新聞の40字要約やっていて、だいたいこのあたりが核心部分で、ここで再説明しているとか場所でわかるようになってきました。

K:構造がつかめるようになってくれば、ほぼ正解なんじゃないかと思います。

E:私はわかりやすく伝えることを仮のゴールにしているのですが、生徒さんに話しをする時には、最終的な使い方の話をされますか。

K:第一は文章を読む時の基本がわかる。構造が読める、根拠と主張という基本的なことが分かる。これは根拠、これは主張とか、それが分かると自分の文章を書く時、役に立つんです。それから、言いたい事をとにかく短い文章でまとめることができる。
その人はいっぱい考えている訳ではなく、一つの事を考えている。その一つがわからなければ、結局その本を読んだことにならない、文章を読んだことにならない、まとめて区切をつけないと次にいけない。たくさん本は読んだけど、何が書いてあったか、すぐ忘れてしまう。まずは読んで、たくさんメモをとって、こんなことが書いてありましたと、言ってノートをとってもいいですけど、それは時間的にむずかしい。
とにかく短い文章でこんなことが書いてあったとまとめておく。そういう習慣をつけておく。そうすると蓄積していくということです。それが一つです。
あとはわかりやすく相手に伝えるというコミニケーションですね。そのためには短くないと人は読んでくれない。要約、ずっとやってきて私も思うのですけど、切り絵のようなもので、切りますよね。きれいに切って、これが要約できましたって言うんですけど、切り残したところというか、要約では使えないな、って部分がありますね。
実はここに書いた人の思いがこもっているんですね。文章の中で主張と関係ないことが書いてあっても、そこに思いがこもっているいることもある。
残ったものを額に入れると、きれいになるのと同じで、切り残したところもまた面白いと思うようになったのです。やっぱり人間って書きたいじゃないですかね。
わかって欲しいから一杯しゃべりますよね。それはそれで良いと思います。

E:会社の業務で要約を使おうとすると、逆に取り残した部分をついてくる人もいて、要約は厳しいし、覚悟がいるもんだな、と思ってしまうんです。

・要約は冷たい? 

K:要約を大事だと思っている人の世界ではわりと通用する概念ですし、また入試とか大学の世界では、当たり前だということになっていますが、実社会ではそうでもないような気がしますね。人間が絡んできますから、本当に必要最小限のことだけ伝えて機械的にやればうまく良くかと言えば、そうではない気がしますね。
だけど大事なことを残す上では、要約というのは大きな力を持っている、あなたはいろいろ言っているけど本当のことはこうでしょうと。

E:わからなくなったら、ここに戻ってね、分からなくなったら聞いてね、といっているんですが、実社会ですから、分からないときでも読んでくれなかったりするんですよ。

K:要約がまだまだ機械的だと思われている面はあるんですよね。
こうでしょう、と言うと、冷たい感じがしますよね。合理的な感じ。この人だけまとめる力があるように言われるから、言われた人はこんなことも書いてある、これが大切だと付け加えてくるんですよ。そこんとこをもう少し変えていかないと、なかなか。
それとは全然違うもんだということを知らせていかなくてはいけないですね。

E:今までの話では要約は、読解から始まってコミニケーションに移行していったわけですね。でもなかなかコミュニケーションの道具とは思ってくれないということですね。

K:コミュニケーションというと、もう少し暖かいもんだというイメージがあって、要約には冷たいイメージがあって結びつかないんだと思うんです。コミュニケーションは分かりやすく伝えるということなので同じことなんでしょうけど。
コミュニケーション、イコール分かり合うみたいに理解されてないので、使いにくいのだと思うんです。
要約って難しいと思われているんです。訓練が必要だとか、確かに必要な面もあるんでけど、引いちゃうんでしょうね。
50字で言ってくださいとか、まとめて言えばどうなるか、冷たいものと感じだしちゃうんでしょうね。50字で言えるわけないだろうとか、だったら練習しなきゃいけないとか。

E:一度データベースの要旨欄を30字から50字でまとめてくださいと依頼したことがあったんです。できる人はできているんで驚いたことがあります。

・実は要約も創造的

K:わりにワープロソフトなんかで加工しやすいですから凝る人は凝るんですよ。逆に40字でこれをやれと言われると楽しくなる。そういうのを味わうと楽しくて継続できるんです。
生徒も要約をやっていて楽しんでいます。
要約ってやらされているという受身に捉えがちなんです。人の書いたものを受け取って何とかしようって。要約って、本当は自分で作っていくものですよね。相手の言っていることを作ってあげる、一つか二つの文にしてあげる創作的なことなんですよ。
それが分ければ楽しいです。もう一回、分かりやすく作り直してあげるわけですから。

E:長文や本を要約する時、主題がいくつかあったりすると、言いたいことをいくつか40字で箇条書きにして、一番大事そうなのを一つ選んだり、さらにまとめて要約するのか、方法論として悩むところではあるところなのですが。

K:本を短くまとめる時は、そういう言いたいこととか、いろいろあると思うんですが、それは完全に無視するすると言うか。

E:無視する。

・『雪国』にも挑戦

K:細かいところといっても何なんですが、一行一行は無視する。全体でこの人はこれについて、こういうふうに言っていると、パッとやってやるしかない。

E:そう思い切ると、やってやれそうですね。

K:そう思い切れば良いんですね。
アンダーライン引きながら読むと、ものすごい情報量だと思うんですね。それは大切なことだと思うんですよ。でも、一言で言いあてようとすると、アンダーラインを引いたところにこだわってはいられない。
題名とか、テーマとか前書きとかをしっかり読んで、この人はこれについてこう読んでいる人だなと、つかんで、自分で仮説をたてて読んでいって、こうだったと言い切るしかない。

E:そうしてみると川端康成の雪国も言いたいことは、これだと言いあてることができますよね。駒子がどうのこうの考えていると良くない。

K:表現にとらわれてしまうんですね。

4/5 ・要約教材として社説は最適か ・切り捨てる潔さ ・読ませる要約に続く

2005.10.08

要約対談2005/08 2/5

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・短歌と要約の密接な関係

K:そうだと思います。メモ取るにしても、ただ書くとグチャグチャになるますね。短すぎたり、足りなかったり、長すぎたり、またもう一回読まなくてはならないとかありますが、字数を決めると把握しやすいなりますね。
私、昔短歌をやっていまして、歌集を出すところまでいったんですけど。
短歌の31文字の感覚がしみこんでいるんです。指で5-7-5とか数えなくても、頭の中で31文字にまとめられるんです。そんなふうになるんです。31文字の発想になれて、それで覚えているんです。
字数を決めるのは、いわば定型、定型詩、俳句、短歌と同じなんではないでしょうか。短歌のテーマには人の心とか自然とかいろいろありますね。それを全部31文字におさめて入れていくわけです。ともかくどんなテーマでも31文字に入れていくわけです。40字要約も同じですね。経済もあれば文学的なことも、それ全部40字に切り取って、世の中見ていくようになると思うので、パターン化するというのがあるんじゃないでしょうか。

E:40字とか50字とかの定型に切ってしまうほうが良いということですね。

K:やっぱり40-60字でアバウトにしてしまうと、感覚がつかみにくいので、これは40字、これは60字と決めておけばば、習慣になって感覚をつかんでいく。

E:確かに40字でまとめるのは厳しいときがあるんですけど、60字でやると、楽だったりする。

K:要約も何千字を200字にする時、圧縮しているわけですが、全然面白くないんですね。何の意味もないですし、200字も読まなきゃいけないですから。

E:なにか注文しましょうか? ビールをください。それから...。カミカツ、おいしそうですね。カミカツお願いします。それから鉢に入っているジャガイモ、ええ、それです。それをください。

K:そうですね。私は、アスパラのバター焼きを。

E:すると、私がやっていた40字要約は間違っていなかったのですね。

K:そう思いますね。短歌だと思うんですよ。短歌は文学的なことだから、違う世界のことだと思うかもしれませんが、なんて言いますかね、感覚。常にその字数で世の中をみる感覚が鋭くなる。深まるって、いうんでしょうかね。

E:深まるって、いいですね。それを授業の中で指導されているんですね。
正解を求めて迷走する

K:そうなんです。なかなかむずかしいんです。と、いうのは要約には正解がない。

E:あ、はっは、は。はい、はい。

K:まあ、だいたいは同じなんですが、言葉が違っていたり、言葉を言い換えていたりするんで。ここら辺をつかめば良いな、というだいたいの正解はあるんですけど、そこはちょっと不安なんですよね。
「いいんだよ、これで」って言っても「でも、先生の答えとは違う」と言う。「同じような意味だよ」って言っても「えーえ?」と言うんです。ですから、個人的に練習している人はそういう不安があるんじゃないでしょうか。

E:すごくありますよ。今日、話を聞きたかった原因も自分のやっていることが不安なんです。どこにマイルストーンを置いたらいいか分からないんです。

K:さきほど言った要約の教材なんですけど、それが受けた理由は、正解がきちんと書いてあるので先生が指導しやすかった。割りとそれは答えが出やすいような教材だったんですね。ここは大切でしょ、ここは大切でしょ、それを両方あわせると、ちょうどいい文字数になるんで、っていうふうにできているんです。

E:うーん、なるほど。

K:だから、教えやすかったということがあったんですよ。まったく、なんていうんですかね、何千字の世界、本一冊の世界、大海原に出るとき、どうしたらいいかと言うことはあると思うんです。
で、私は...。答えはないと思っています。

E:いままで答えがあるという教育を受けているから、すごく不安になるんです。自習するというのは非常にむずかしいですね。

K:確かに、答えはないって言いましたけど、何を書いても良いわけではなくて、ある程度正解に近いものはある。細かい所では、違うのはしょうがないと思っている。で、それをどう自習するか、どう納得するかということが問題なんです。まず、一つは正解を求めない。

E:正解を求めない。

・蓄積して精度を上げる

K:自分でここが役立ったので、自分がここを採った、それを蓄積していく。そのことが大切だと思いますよ。知識として蓄積していく、40字で。自分は40字でまとめると、それは読書した結果が形になって残っていく、知識として、しかも形になって蓄積していくのが良いと思います。
もう一つはもっと正確を期したい、本当に誰が要約しても同じっていうレベルまで磨きたいときには、人に添削してもらうんです。誰が先生ってわけじゃないです。グループ作って、2、3人で要約を較べあうと割と近くなってくることがあるんです。それぞれレベルが上がってくる、より客観的になってくることがあるんです。

E:私は年取ってからジタバタしていますが、若いうちにやっておくと良いですね。

K:そういうグループ学習は良いと思うんです。それで、精度が上がっていく。

E:だいたい要約の学習には個人差もあると思いますが、どれくらいで効果が現れるんでしょか。

K:期間というよりも回数ですね。たとえば週3回ぐらいやって、やっぱり3ヶ月するとだいたい自分で見えてくるんです。
だいたいの構造が見えるというか、これは根拠で、ここは主張だとか、ここは前と同じだなとか、文章を見慣れてくると、パターンが決まっていますからね。長い文章を読むときに、どうしても言葉を追うんですね。この言葉は、ここと同じ言葉で、ここには因果関係があってとか、どうしても予備校の先生が教えるように、言葉を見てしまうんです。
すごい狭い世界だからこそ、全体を観なきゃいけない。逆に全体の構造を読んで、ここが主張で、根拠はこれと、全体を観るようになると、文章の構造をもって理解して、こうやって繰り返しながら結論に行こうとしているのが分かってくる。

3/5 ・構造・主張・根拠 要約は冷たい? ・実は要約も創造的 ・『雪国にも挑戦』に続く

2005.10.07

要約対談2005/08 1/5

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 要約を極めたいと、思っている。何か得るものがあると確信しているが、決め手がない。偶然、「要約がライフワーク」って人に出会えた。よし、分からないことは聞いてしまえ、忙しいところを無理にアポイントをとって、一杯やりながらの「要約談義」をすることに成功した。
お話を伺ったのは都内高等学校で現代国語を教えておられる木本 寿さんです。要約歴20年の頼もしい方です。8月末の渋谷で待ち合わせてお話を聞かせていただきました。
文中のE=海老名、K=木本を表します。

・要約対談は渋谷の夜に始まる

E:まず、ビールをいただきましょうか。瓶にしましょうか? すみません、ビールをください。
おっ、サッポロ赤星(ドラフト)ですね。いいお店をご存知ですね。

E・K:カンパーイ、よろしくお願いします。

E:私は仕事で企画書などを書く機会があり、ついダラダラ書いてしまうことが多いのです。『40字要約で仕事はどんどんうまくいく』(アーク出版、2004年)という本を読んで要約に興味を持っています。
ちょうど、木本さんと出会って「要約がライフワーク」ですと、おっしゃっていたので、これは本当に良い人に出会えたと喜んでいました。そこで今日お話を聞く機会を作っていただいたわけでして。
先生をなさっておられるのですね。

K:国語には古文、漢文、現代文があるんですが、深くすれば、いくらでも深くなるんですが。古文、漢文、特に漢文は教えやすいんです。訳しながら、文法を説明していけば、わりに楽に教えられる。
で、ほかの先生は現代文をやりたがらないんですね。それで若い時から現代文を担当することが多くなった。

E:あ、二杯目からは手酌でいきましょう。お若い時からというと、20年ぐらい前のことですね。

K:そうです。現代文の解釈というところでは必ず要約の問題があるんですね。何十字で、というものがほとんどでした。大学生になると長い一冊の本の要約の宿題とか、新聞の社説を要約しろとか、文章の読解力をみるんです、20年前は。
今はコミュニケーション、つまり伝えること、しかも、短い言葉で伝えたいということで、課題が出てくる。先ほど話があった企画書も「伝える」ことが大事ですよね。
高校でも教科書を見ると「国語表現」という科目ができましたので、要約して短く相手に伝える。その練習として長い文章を100字にして、50字にして、10字にして、あと題名をつける。そういうようなことも出てきました。それって面白いですよ、パズルみたいで。

E:100字、50字、10字、タイトルですか。

K:タイトルは5字ぐらいでやってみるんです。あと大学でもわりに要約させるんです。300字で要約して、300字で意見を述べなさいとか、要約と意見がだいたい同等なものに扱われています。そういうこともあって、ライフワークというのは大げさなのですが、これは教師としてやっていくのは面白いなと思ったのです。

・コミュニケーション・ツールとしての要約

E:コミュニケーションと言われ始めたのはいつごろからですか。

K:ここ5年ぐらい最近です。短くまとめて、相手に示す。そのことが言われてきて、読解のための要約は言われなくなってきました。時代が変わってきたんだなと思います。長く書いても読んでもらえない。だから要約をつけて出せば、要約だけでも読んでくれるかもしれない。

E:なるほど。

K:小論文というのがありますね。一世を風靡しまして大学入試でも要約でそれを作るんです。筆者はこう述べているが、私はこう考えている。筆者はこう述べているという部分が要約になるわけです。
まず要約の練習からはじめるということで、ある教材会社で教材を作って、それが面白いということになって、そッからやっているんですけど。

E:そうなんですか。それで、その本はどこで買えるんですか。

K:教材なんで市販はしていないんです。一般の本とはルートが違うみたいで、新しく一般の書店でも売れるようにしようとかいう話はあるようです。
やっと、注目されてきたなあと、要約も、という感じですね。

E:これが先ほどいった2004年8月の40字の本なんですが、これを読み始めたのが要約に興味をもったきっかけなんです。

K:先ほど100字、50字に要約する話をしましたが、60字で要約する本が新書であったようなのですが、日本語で要約して相手にパッとわかってもらうのは40字から60字、それぐらいですかね。
40字もいいかもしれません。40字だと一文ではないですけど、つなげれば一文になりますよね。60字は二文になりますが。
やっぱり短歌の31文字、それプラスちょっと詳しくすれば40字とか、それぐらいが日本人には合っている。
確かに何字で要約しろというのに根拠はあんまりないんです。
100字にしろとか、50字にしろとか、練習ですから。やっぱり50字にまとめられると、だいたいの内容は理解できているなという感じになります。どんな分厚い本でもいいたいことは一行にまとめられるということですかね。

E:私の40字要約は『フジサンケイ ビジネスアイ』の気にいった部分に付箋をつけて、マーキングして、 RHODIAのメモ帳に書き込んで、あとでパソコン上で字数を見ながら入力するというものです。私の教材は新聞なんですが、新聞の場合はタイトルがすでについているので要約となるわけなんですね。

K:そうですね。

E:タイトルがあるので本当に40字要約になっているのか、不安なところはあるんですが、毎日内容が変わるので仕事の役にも立ちそうで続けているんです。それと短く書くと忘れなくなるのでボケ防止にも良いかなと続けています。

2/5 ・短歌と要約の親密な関係 ・正解を求めて迷走する ・蓄積して精度を上げるに続く

要約を極めたい

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 なにげなくする「要約」。最近気になっている。偶然良い人にであった。話を聞いた。面白い! blogに掲載するのも快諾していただいた。
まずは「要約対談」全6回からスタートしましょう。

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